物理ニキの部屋

物理学生によるメモブログ

高校時代、物理が苦手だった話

  • 久しぶり

文文ハローはてなブログ。ちょっと更新が遅れてしまいました。最近プログラミングの勉強を始めて、ハマりつつある物理ニキである。突然ですが数日前、将来の夢が「エンジニア」に決定したことを報告させていただこう。ちなみに私はこのまえまでプログラミングの知識ゼロだったド素人。「無知の知」状態だった私がエンジニアになるまでの道のりを実況するシリーズも開催したいと思う。

 

  • 高校物理

いまでこそ物理がそこそこ得意にはなったが、高校時代は物理弱者だった。まず教科書がわかりやすいようで最高にわかりづらい。公式が唐突に出てきて、それが当たり前であるかのように扱われるのが当時の自分の理解を遅らせ物理への興味を削いだ。最も印象に残るのが「単振動」の位置座標がなぜかsinωtで書かれているということだ。物理の教科書になぜ三角関数が出てくるのかが全く理解できない。そしてなぜ三角関数になるかの説明がどこにもない。この教科書さえ理解すれば受験に受かるとまで学校ではよく言われるがそれは嘘だ。これを読んで物理はできるようにはならない。

 

  • 教科書の謎ポイントを列挙

高校時代の物理の教科書を発掘したので、謎ポイントをいくつか挙げてみよう。

 

①表紙

ヨットや夜景の写真が埋め込まれている。謎である。個人的にはシンプルに無地背景で「物理」の2文字が一番いい。無理に身近な現象にこじつけようとする傾向にあるが、それだと余計にわからなくなる。

 

②等加速度運動の公式

覚えさせられる側からすると、なぜこんな式になるのかが謎でまったく頭に入らない。ここは嫌でも積分を用いないと説明できない。あと、自由落下や投げ上げとか斜方投射とか全部別々なのも謎。全部同じである。

 

③運動量保存

これはなかでも地獄。私が現役時代にこれを理解することはなかった。なぜか運動量変化と力積が結び付けられる点、外力がないと運動量が保存するという説明、初学者がこれを理解できるはずがない。地獄の本のなかでもとりわけ光る名作である。

 

④単振動

唐突の三角関数が初学者を苦しめる。位置がsinで終わりかと思えば次には速度がcosで加速度がsinと公式のごとく平然とした表情で書かれている。これをみると悲しい気持ちになる。

 

  • 微積分を隠したい気持ちもわかる。

とりあえず4つ挙げてみた。教科書の最初から順にあげているので力学しかないが、単純に力学に謎ポイントが多いということもある。そもそも運動方程式微分方程式なので微積分を物理に持ち込めない高校教育にとっては、このように苦し紛れの表記をするしかないのだろう。微積分を隠し、謎表記を駆使して数学嫌いにやさしく見せるか、公式の背景を微積分を用いてわかりやすくするか。どちらが物理嫌いが減るのかはわからない。

 

 

院試の攻略法

①信頼できる教科書をそろえる

まずは勉強のお供となる教科書を見つけよう。これは早いうちにやったほうがいい。経験上、過去問のほとんどが良質な参考書の例題などから出ている。教科書は今後の勉強の軸となるので自分が嫌いにならないようなものを選べばいいが、個人の好みを無視して「この教科書は良質!」というのがいくつかあるので教科ごとにリストアップして後日紹介しよう。自分セレクトとはいえ、だれもがお勧めしているものなので結構信憑性はあると思う。

 

②教科書や問題集をやり通すのは危険

教科書はあくまで辞書的な使い方をすることをお勧めしよう。なぜなら端から端まで読んで理解を試み、例題をすべて解いていたら一冊終えるのに膨大な時間を費やしてしまう。学校の授業である程度全体像は把握しているだろうから、まずは授業の復習をしてそのあと問題集をやるか、過去問をやってみるといい。

ここで問題集についても注意だが、問題集も端から端までやることは時間がかかりすぎるのであまりお勧めしない。問題集は必ずしも院試に受かるためのものではないように私は感じた。院試で絶対出ないようなところもあるし、逆によく出るところは内容が不十分だったりする。そういった理由で授業の復習を終えたら志望校の過去問をやることをお勧めしよう。

 

③過去問をやろう

授業の復習をして、授業での演習や定期テストの復習を終えたら私の場合は志望校の過去問に取り掛かった。というのも、院試の雰囲気は実戦でしか感じることができないからだ。考え方としては、「過去問が解ける力をつけてから過去問を解く」ではなく「最初はできなくていいからやりながら身につける」というイメージ。時間があるならまずは志望校よりも少しレベルの低い大学の過去問をやるのもありだが、いきなり志望校のものをやってもいいと思う。

 

④根気よく

いきなり過去問をやって満足のいくほど解けたら多分受かるだろう。3割も解けないくらいに思っておいたほうが気が楽だ。できなくて当然。

がんばって問題を考えたら、解答作成をしよう。ここでのリサーチ力が院試合格のカギとなる。ここで買ってある参考書や問題集の該当する分野を読んでみる。問題解決のヒントが隠されていることが多い。それに加えて、自分はweb検索やYouTubeに頼りまくった。とくにYouTubeはかなり充実しているので大変お世話になった。院試勉強の半分以上はパソコンに向き合っていたといってもいいくらい情報収集には時間をかけたし時間をかけるべきだと思う。大学での学問は難しい上に院試の過去問の解答は公開されていないので大学受験の勉強法とは全く異なる。いかに問題に関連する情報を見つけるか、そしてそれを応用するかが大切だ。

気になる院試免除の真実とは。

今日は意外と知られていない院試免除について、知っている限りはなそう。

 

  • 院試免除制度とは

大学院へ進学するには基本的に大学院入学試験を突破する必要がある。しかし学部での成績が良ければ試験を免除してやろうという大学側の粋な計らいがある。それが院試免除だ。この制度を知っているか否かで学部時代の授業へのモチベーションが変わる。ちなみに私は噂程度にこの制度の存在は知っていたが部活やらであまり学業には身が入らず、学部時代をのうのうと過ごしていた。

 

  • みんな免除狙い

自分の大学は国公立なので院への進学率も高かった。同期も結構な数の人が一年生の時から院への進学を考えていた。そのため、成績を取るために一年生のうちからちゃんと勉強してる人ばかりだった。

院試免除を取りたい人は、一年生から授業に集中することをお勧めしよう。

 

  • 勉強どのくらいやればいいのか。

一年生からちゃんと勉強してる人はほとんどが院試免除を取れている印象だ。どれくらいのことをやっていたかは、

 

①授業に出席する

②ノートをとる

③テストをがんばる

 

くらいだ。要は授業についていくことが大事だということ。ただ、これを継続するのは意外とすごいことだと感じる。

免除がもらえるかもらえないかはGPAという数値で判断される。GPAは簡単に言えばどれだけ成績がいいかの数値である。

GPAはMAX=4.0であり、院試免除がもらえる目安は平均で2.5以上くらいな印象だ。これは決して手の届かない数字ではないし、だれでも目指せる数字である。特待生とかよりも断然ハードルが低い。

ちなみに私は、必修はすべて単位を取得し卒業単位取得するまでに一つの専門授業を落単しただけにもかかわらずGPA1.8という驚異の低空飛行を成し遂げてしまった。この低空飛行についても今後解説していこう。

 

  • 院試免除のデメリット

①外部受験禁止

院試免除の申請をすると学歴ロンダリングの道が閉ざされてしまう。つまり院試免除の申請は単願宣言するということなのだ。学歴ロンダリングをする場合は院試免除申請を出してはいけない。しかし院試を受けるのは自由なので外部と内部の併願でどっちも院試を受けることはできる。

 

②就活禁止

院試免除は単願宣言なので就活すらもさせてはくれない。本命を決めたら浮気は禁止なのだ。彼女がいるときにほかの人に告白したり、クラブでナンパすることが許されないのと同じだ。

 

③なんかやりきった感がない

院試を受けた身から言わせてもらうと、もし院試を受けずに院に合格したらちょっと物足りないというか達成感がないと思いそうだ。まあデメリットというほどでもない。ただ、院試の勉強量はなかなかのもので院試受験者と院試免除者では学力の差は相当あると思う。そういった点では院試勉強をした人のほうがこの先有利になると思う。

 

 

 

 

 

院試とかいう神イベントがあるらしい

  • 物理ニキ、院試終了

先日、大学院試験を終えてすべてから解放された。外部も内部も受験した。結果はまだ出ていない。しかし、私はとある大失敗をし成功を手中に収める可能性はゼロになった。まあ詳しいことは後々述べるとしよう。

 

私が大学生活を送っていく中で、どのように院試と向き合い戦ってきたか、それを事細かに記していこうと思う。このブログは院試戦闘記である。院試を今後受ける人や受けるか迷っている人の参考になれば幸いである。

とりあえず院試を終えて感じたことを一つ言っておこう。

「院試は神イベントだ」

 

  • 院試はなぜ神なのか

院試の神ポイントを二つほど上げよう。

 

学歴ロンダリングできる。

大学受験で満足のいく結果が得られなかった人はこの学歴ロンダリングをお勧めしよう。大学受験に比べると大学院受験は敵が少ない。なぜなら、理系だからと言って全員が院へ行くわけではないし、行くにしてもそのほとんどは学部と同じ大学の院、つまり内部進学だからだ。したがって院試の敵となるのは主に、学歴ロンダリングを狙うものと他大の特定の研究室に魅力を感じているものになる。(あとは院試免除を取ることができなかった内部生下位層。)

しかし、大学4年次になってもまだそのモチベーションを持っている人はそう多くはない。大学のぬるま湯に3年間浸かり、遊ぶことを覚えた大学生にはもうあの頃の闘争心は皆無だ。もう勉強したくないがために普段の授業の成績をよくして院試免除をもらいたい人がほとんどだ。さらに院試の過去問を見てしまった暁には絶望で夜も眠れない。「院試は楽」は競争率の面では確かに真だが問題自体は相当ムズイ。そういった意味で「院試は楽」は偽であるといいたい。    

それらの壁を越えて、それでもなお院試を受けると決心した君たちは勇者だ。おめでとう。

 

 

②学問の理解が深まる。

さて、学部の必修の授業をちゃんと理解している人はどれくらいいるのだろうか。少なくとも私はほとんど理解できていなかった。単位が取れればいいと考えていた私は定期テストの過去問をテスト前に勉強するだけだった。普段は授業の復讐はするはずもなく、ノートすらとっていない。出席がない授業は行ってもいなかった。つまりまったく物理力のない状態で大学の3年間を終えた。

別に単位数的には悠々卒業することだってできる。しかしこれで卒業しても大学で何も学んでいないに等しい状態だ。これに私は抵抗があった。

院試勉強では、理論のインプットと試験問題を時間内に解くアウトプットの練習をする。そこで得られる理解は授業で人から聞いたことの比にならない価値が存在していた。問題を解いている中で、無限のわからないことに出会い、その一つ一つに何時間もかけて解決していく作業は実に果てしないが、その苦労を経ることでしか本当の理解は得られないのだと強く感じた。

ここまで学問に没頭できるのは研究者にならない限り学生が最後だと思う。院試勉強というのは集中して学問を学べる最後のチャンスだ。この経験は必ず人生の糧になるだろう。

 

  • 院試戦闘記シリーズ

今後も院試について自分の経験を語っていこうと思う。参考書について、なぜ物理を選んだかについても語りたい。

お楽しみに。

 

 

 

統計力学とかいう神学問について語らせてくれい

大学3年次の通年の必修授業で初めて統計力学に触れた。担当教員は優しいと評判の教授だった。初回の授業で彼はレジュメを片手に猛烈な勢いで板書し、口にするすべてのことを黒板に書いていくスタイルであることが判明し彼が最初の一面を書き終えたころにはもう私はついていくことをあきらめていた。

 

  • 神書現る。

結局授業は初回しか出なかった。独学になりそうだったので参考書を買った。それが名著田崎さんの統計力学ⅠⅡだ。通称「田崎統計」。どんな物理系のサイトや発信者をみても田崎統計は勧められている、伝説の書だ。

 

  • 田崎統計

この本のどんなところがGOODなのかと聞かれても、「なんか読みやすい」としか答えられないのが悔しいところだ。実際私はまだこの田崎統計を熟読したとは言い切れない。院試でわからない問題があった時の辞書的な使い方をした程度だからだ。しかし物理の学問書において「なんか読みやすい」というのは非常に重要な要素ではないだろうか。私のような「物理好きだけどあんま頭よくないニキ」にも読みやすいと思わせる点でこの書は優れている。

田崎統計はこちらだ。

 

 

 

この伝説の書をせっかくだからマスターしたい。少しずつ読んでこのブログで読んだ感想とかをまとめていくぞ。

 

 

物理ニキ、ブログはじめました。

はじめまして、物理ニキです。

  • 自己紹介

物理ニキと申します。物理学を学ぶ大学生です。最近流行りのbreaking downという素人喧嘩自慢大会に影響されこの名を名乗らせていただいております。物理は好きだが、たいしてできるわけではないのでお手柔らかに接していただきたい。

 

  • ブログ開設の理由

実はそこまで大した理由もない。ただ、筆者は先日大学院入試を終えたばかりで物理への意欲が高いため、この熱が冷める前になにかしらの手段でアウトプットしようと考えた次第だ。また、ブログ運営での広告収入を得てみたいというのも事実だ。むしろこちらの理由のほうが主になっていることは正直に認めよう。こういう下心があるときは大体うまくいかないように世界は作られている。

 

  • 何を書こうか

大学で学ぶ物理について書こうと思う。主に力学、電磁気学量子力学統計力学、物理数学になるだろう。院試についても話したい。あとは関係ない話も。

 

  • だれにみてもらおうか

物理ニキと名乗っておきながら、人に教えられるほど物理を熟知しているわけではない。背伸びをして「みんなのためになるもの」を書こうとすれば、果てしない作業になるのは目に見える。自分が目指すのはこのブログを読んで物理に興味を持ってもらうことだ。物理嫌いが物理好きになるようなものが書けたらなと思う。また、万が一、頭のいい人たちがこのブログを見るようなことがあればぜひとも間違いは指摘していただきたい。